2007年4月30日月曜日

ただ今、録音中!

引越しまで、もうひと月を切った。

日本に戻ったら、来年の夏まで自分のマンションには戻れないので、会社の寮に入れて貰う事になっている。本当に「独身寮」なので、ほとんどモノを置けるスペースがない。(いや本当に) そこで一番困るのがCDや本。結局、ほとんどはレンタルルームに預けるしかない。そこで、CDだけでも全部iPod(iTunes)に入れてしまおうと一念発起して、ただ今録音中(インポート中)。でも、これが思いの外面倒臭い。

全部で700枚位かな。知り合いの顔を思い浮かべるときっと少ない方だと思うが、私には700枚でも充分多い。特に面倒臭いのが、クラシック関係のインポート。曲のタイトル等、データベースから引っ張ってくるけど、ご存知の通りこれがかなりいい加減。間違いも多い。だからいちいちチェックしたり、訂正したり。作曲家も姓を先に入れないと、頭出し難いし。それに、ジャンル訳も Classic だけじゃどうにもならないから、新たに入れ直したい。という訳で、結局「Clsc-composer-category(Sym, Con, Cham, etc...)」、あるいはオペラについては「Clsc-Opera-composer」という具合にしてみた。さて、世の中の皆さんはどうしているのかな?

それに、700枚程度でも「こんなの持ってたんだ」と度々引っ掛かって、聴いてしまう。まぁ、CDプレーヤーも別にあるんだから、聴きながらインポート作業を進めれば良いんだけれど、これがしばしば聞き入ってしまうんですよね。

という訳で、何となく「パンドラの箱」を開けてしまった感じがする。果たして、この調子で終るのかな?

ところで...

ご近所のヴァイオリン弾き(かつてはヴィオラ弾き)さんから、このブログに面が割れそうな名前を使ったので抗議を受けました。どうも、まだブログなれしておりませんもので、申し訳ありません。今後、あなたは「ご近所のヴァイオリン弾き(かつてはヴィオラ弾き)」、あるいは私の帰国後は「クパチーノのヴァイオリン弾き(かつてはヴィオラ弾き)」とお呼びします。

それに彼から、まじっくばすーん氏と私のブログ上のやり取りについて「親友かつライバルな関係が、こんなところでもいまだに続いているのがほほえましいというか、なんというか...」というコメントを頂きました。う~ん、それは「主題と変奏」乃至は「主旋律とオブリガート」と呼んで欲しいなぁ。まぁ「掛け合い漫才」と呼ぶ向きもあるが。

2007年4月28日土曜日

ロストロポーヴィッチのこと

「ロストロポーヴィッチが死んだ」と、まじっくばすーん氏のブログが教えてくれた。

こんな時に不謹慎なトリビアだけれど、NYタイムスは著名人の訃報に際して、その人の経歴を詳細に紹介する記事を書く。今回もウェブで3ページを割いてロストロポーヴィッチの訃報を伝えている。

それに依ると、1月末にパリで入院し、その後モスクワに移って入退院を繰返し、発表されなかった死因については「腸ガンと考えられる」としている。3月下旬にクレムリンで催された80歳の誕生パーティーには出席したというから、急に悪化したのか?

とにかく「ロシア人らしい」精力と情熱の人だったという。1987年にニューヨークで60歳の誕生日を記念するコンサートを5夜に渡って行った時には、3 つのオーケストラ(ニューヨーク・フィル、ボストン交響楽団、ナショナル交響楽団)と共演して、15曲のチェロ協奏曲を演奏し、幾つかの交響曲とブリテン の「戦争レクイエム」を指揮して、更にバッハの無伴奏チェロ組曲(全6曲)まで演奏した、というエピソードを紹介している。

また茶目っ気あふれる人であったとも。チェロのリサイタルで伴奏者の楽譜に、ヌード写真を貼り付けて驚かせたり、アイザック・スターンの70歳のバース デー・コンサートには、サン=サーンスの「白鳥」を演奏するのに、白タイツにチュチュ、更には白鳥の被り物に真っ赤な口紅まで付けて出て来たという。

小澤さんとの仲の良さも、良く知られた話だ。実際、私の覚えているロストロポーヴィッチの最後の映像は、彼と小澤征爾が若い演奏家を引き連れて、田舎に「出前コンサート」をしに行くという話だった。「この活動は、スラヴァに言われて始めたんだ」と小澤さんが説明してい た。

今更、私がロストロポーヴィッチの音楽について語っても仕様がない。CDラックを探したら、彼のCDが4、5枚出て来た。今はドボルザークのコンチェルト を聞いている。バッハの「無伴奏チェロ組曲」のレーザ・ディスクも日本から持って来ている。この週末は、この辺りを見聞きすることでロストロポーヴィッチを偲ぶことにしよう。

【追記】
日本では、ロストロポーヴィッチの生誕80歳を記念した映画が封切られたんですね。今度の事が、この映画の宣伝になるというのはちょっと複雑な気分だけど。映画のウェブサイトの「最新情報」ではまだ死亡は伝えてないけれど、3月下旬の誕生パーティーの模様を伝えたビデオクリップが載っていますね。もう相当に痩せているけれど、立ってスピーチをしている模様。これが本当に最後の映像なんでしょうね。

2007年4月27日金曜日

久し振りにファゴットの曲を聴く

まじっくばすーん氏の昔語りにつられて、久し振りにファゴットの曲を聴いた。トゥーネマン/イ・ムジチのヴィヴァルディのコンチェルト集2枚(12曲)。そして同じくトゥーネマンをソロに迎えたドヴィエンヌのカルテットとデュエット。 恥ずかしながら、ファゴットがソロの曲を聴くのは本当に久し振り。ファゴット絡みのCD、さすがに普通の人よりはたくさん持っていると思いますけどね。

ところで、トゥーネマン。記憶の中では、とても派手な音色だった印象があったけれど、思いの外柔らかな音色だった。でも、全くよどみのないテクニックは記憶通り。その所為で、派手な印象を持っていたのかも知れない。 

ヴィヴァルディはファゴットのコンチェルトを一杯書いていたよなぁ、とCDのライナーノーツを読んでいたら、39曲でしたね。(うち2曲は未完) バイオリン・コンチェルトが200曲以上あって、その次に多いらしい。バイオリン・コンチェルトについては、バイオリン奏者であるヴィヴァルディ自身がソロを取る事も多かったのだろうけれど、ファゴットはそうじゃないだろうから、余程優れた(そしてお気に入りの)プレーヤーがいたということなんだろうか。詳しく調べもせずに迂闊な事をいってはいけないけれど、時代を問わず、ファゴットをソロにこんなに曲を書いた作曲家っていないんじゃないだろうか。ヴィヴァルディのコンチェルトの殆どは、ヴェネチアの女子修道院(孤児院?)の合奏団の為に書かれたというけれど、どんな風景のアンサンブルだったのだろう?絵でも残っていないものかしら。それに技量も優れていたんでしょうね。もっとも、バロック・ファゴットの方がキーが少なくて、スケールやアルペジオは今のファゴットよりやり易かった、という説も聞いた事がある。

私の持っているのは12曲だから、1/3にも満たないけれど、やはり短調の曲の方が趣きがあるかな。でも、どれを聞いていても、退屈はしない。 「バンジョーは止まらない」と書いたけれど、「ファゴットは止まらない」という感じでしばらく聴いているのも悪くない。まぁ「集中して」という訳にはいかないんだけれど。

そういえば、ヴィヴァルディについては後悔していることがある。ちょうど2年前の春になるけれど、念願叶ってイタリアに旅行した。勿論ヴェネチアにも立ち寄ったけれども、ヴィヴァルディが合奏団を教えていたという修道院に行きそびれてしまった、というよりヴィヴァルディの事を殆ど忘れていた。挙句に、ちょうどイタリア・ツアーの途中だったベルリン・フィル(ラトル指揮)に居合わせて彼の地のフェニーチェ歌劇場でのコンサートに行けたのだけれど、旅の初日、強烈な時差ボケに襲われて半分寝てしまうという大失態。音楽的には散々だった。だから、ヴェネチアにはもう一度出直したい!

ドヴィエンヌは楽しかった。特に、カルテットの作品73-1というのは、モーツァルトのオーボエ・カルテットの兄弟の様な感じがしますね。確か、haru様もファゴット・アンサンブルでやってましたね。もう30年近い昔なんだ、あれも。 

2007年4月25日水曜日

物欲週間?

管理人をしている「ブログFG会」とは別に、新しい個人ブログを立ち上げた。

やはり「管理人」を意識すると、どうも書き切れないところもある。(といいながら、向うにも本当に勝手な事を書いてきたけれど。) というより、やはりごく個人的に書いていきたい事もある。

さて、今週はフォルカー氏的に言えば、ちょっとした「物欲週間」。あとひと月でアメリカを離れるので、と自らに言い訳しつつ「お土産代りに」とちょこちょこ見物/聞き物を物色している。まぁ私の事ですから、多分にミーハー的ではありますが。以下、今週仕入れたも主なブツ。結果的に「アメリカもの」に終始しているのは意図しなかったけれど、やっぱり自分に言い訳してるかも:

1.バースタイン/マーラー交響曲全集(DVD): LDで持っていたものを、置き換えざるを得ないと覚悟して購入。今は、LD/DVD/CDプレーヤー(パイオニア製)を持っているけれど、次はもうLDプレーヤーを買う気がしませんからね。

2.バースタイン/答えのない質問(ハーバード大学での講義収録ビデオ-DVD): これも実はビデオで持っている。みすず書房から出ている日本語の詳細な講義録さえもっている。(これが横長の変形版で厚さ5cm位あるので結構置き場所に 困る) ところが、未だ殆ど見ていない。結構大部だし、英語の講義ですからね、ちょっと身構えているうちに今日に至っている。ということで、これからまだ大分掛か るだろうし、ビデオテープに代えて「永久保存版」のつもりでDVDを買う。6講義全部で700分以上あるというから、身震いする。日本語の字幕はおろか、 英語の字幕さえないんだから。

3.件(くだん)の、Bela Fleckモノ。YouTubeでも勝手に流されちゃってるライブ映像のオリジナルDVD (Live at The Quick)。ちょっと飛ばしながら見たけど、やっぱり抜群におもしろい。後は、Flecktonesの最新アルバム(The Hidden Land) とBelaのキャリアを遡って、ブルーグラス時代のアルバムを幾つか。

以上、帰国を前にして、結構バタバタしているのに味わうには結構時間と集中力を要するものばかり。追々「感想文」書きます。

2007年4月21日土曜日

カルロス・クライバー「カナリア諸島にて」

まじっくばすーん氏が、カルロス・クライバー(指)/ウィーン・フィル演奏のベートーヴェンの交響曲5、7番の事を書いている。 このコンビでは、やはり ブラームスの4番も忘れ難い。「ウィーン・フィルらしくない」とか、「クサい」とさえ腐す人もいたけれど、やはり心かき乱される感じは今聴いてもたまらな い。そして、ファゴット吹きにとって忘れられない1枚は、バイエルン国立歌劇場管とのベートーヴェンの4番。「スリリングな演奏」の例証として、「第4楽 章 でバスーンがコケそうになる」といつも持ち出される。世にカルロス・クライバーの伝説が語り継がれる限り、このファゴットの話もついて回るんだろうね。本 当にこのファゴット吹きに同情を禁じ得ませんね。

そう言えば、久々にクライバーの名前を聞いて、以前作詞家の松本隆が自分のホームページに「カナリア諸島にカルロス・クライバーを観に行った」というよう な記事を書いていたので、どんな風だったかを調べようとしたけれど、もう載っていない。勘違いかな、と思ったら、ラジオ番組で葉加瀬太郎を相手にしゃべっ ていたのが採録されていた。1999年の事だったらしい。更に調べたらプ ログラムも判った。カナリア諸島で開かれた音楽祭に、バイエルンのラジオシンフォ ニーを振って出たらしい。曲目は、ベートーヴェンの4番7番と、「こうもり」の序曲。十八番ですね。好事家のCDも出ているらしいけど(海賊版だね)、 ネットを見る限りでは手に入れる術は見当たらない。2004年に死んだクライバーは、1999年1~2月にかけてバイエルン放送響との共演が、公けで演奏 したものの最後だそうだから、このカナリア諸島での演奏は最晩年のものということになる。出来れば聴きたいけれど。

2007年4月19日木曜日

ファゴット in YouTube (4/18/07)

も しかしたら、僕なんか遅れてるのかも知れない。(きっとそうだ。) いや、YouTubeのことです。バンジョー弾きの絡みで、ちょっと覗いてみた訳だけ ど、ファゴット(バスーン)関係も凄いことになってます。 個人的には、YouTubeっていうのは、著作権の問題なんて考えるとあんまり肯定的にはとらえていなかったんだけど、 やはり爆発的に広がっているんですね。因みにファゴット関係で調べてみたら、これだけヒットしました。

ファゴット:2
fagott:26
bassoon:318
basson:49

それから、fagotで検索しても一杯出て来るけど、これは英語だと違った意味になってくる から、ダメですよ。(でも、Fgという短縮形でも英語だとこっちの意味に取られるらしいからまずいな。「Fg会」-う~ん、チョッとヤバいかな。)

さて、こんな数のビデオ・クリップをつぶさに見ている暇は無いけど、いくつか拾ってみました。

1.Bassonables (バスーン・カルテット)
まずは、ご同胞から。アマチュアみたいだけど、結構有名なんですかね。"You'd be so nice to come home to" と "water melon man" の2作品が載ってます。なかなか楽しい。 こちらにグループの紹介があります。http://www.bassoonable.com

2.Bassoon Lights (バスーン・クインテット)
Virginia Commonwealth University という大学でのクリスマス・コンサートの模様らしい。「くるみ割り人形」の編曲。ちょっと調べたら、音楽学部もあるいらしいから、そこの学生ですかね。見 所は、1分30秒後から。題名の意味が判ります。いやぁ、本当に楽しい。それにしても「バージニア」と言えば、昨日乱射事件があった学校と大して離れてい ないでしょう。そんなに大きい州じゃないですから。

3.Air Bassoon Championships (パロディ番組予告?)
楽 器を降りた私としては、この道しかないかな。どうもオーストラリアのTV番組がネタ元らしい。こんな番組、絶対に「本編」は無いと思うけど。それにして も、「エア・オーケストラ」まで登場するから凄い。それにしても、こんなの作って、どの位の視聴者に受けるというのか? やっぱりこの手の趣味は、イギリ ス系入ってます。因みに、ここでダウンロードも出来る様です。大分下の方の The Chaser’s War on ABC promos というセクションの3番目のクリップです。お好きな人はどうぞ。

4.007、Super Mario 他
や はり、どこかの音大でしょう。多分、アメリカだと思うけれど、中国系/中国人らしき人が多い。(Star War というクリップは「上海音楽院」というクレジットが出ている。)僕はゲームをやらないので「スーパーマリオ」の音楽なんて知らないけど、受ける向きには受 けるんでしょうね。

皆さんも探してみれば、掘り出し物に出会えるかも知れない。でも、こういうのはみんなで酒を飲んで突っ込みながら見るのがおもしろいかも。

そ れにしても、プレーヤー人口から考えると日本人のクリップが圧倒的に少ない。ブログ投稿数は今や世界一だというのに。やっぱり「顔出し」はダメで、「匿 名」じゃないとダメなのかな?ちょっとハイテク文化論として考えると、おもしろい。個人的には、我がFg会の皆さんはすべからく世界に紹介したいですけど ね。

2007年4月18日水曜日

Bela Fleck もう1枚だけ (4/17/07)

まじっくばすーん様、Bela Fleckのディスクですが、これもお薦めかも知れない。Tales from the Acoustic Planet   最近Vol.2 も出たらしいけど、それは持っていないので判らない。どちらかというとブルーグラスへのトリビュートの色彩が濃いとは聞いている。 こちらは、ピアノや弦 楽器、オーボエなどとセッションしていて「ニューエージ・ミュージック」に近い部分さえあるけれど、それゆえに落ち着いて聴いていられる。この人が徒に超 絶技巧に走るプレーヤーでないことが判る。Bela Fleckのことを忘れて、単純におもしろい1枚だと思うよ。

2007年4月16日月曜日

ファゴットがソロを取っている場面 (4/15/07)

マイケル・ヘッジスは、ウィンダム・ヒルの主要メンバーだったんですね。だったら、僕もきっと耳にしているはず。ソロのアルバムも聴いてみましょう。

さて、Flecktonesの続き。YouTubeにファゴットがソロを取っている曲も載っていましたね。但し、ソロ部分はシンセサイザーで音が変換されてしまって、スターウォーズのエイリアン・バンド(オビワンとルークがハンソロを見つけた酒場で演奏してたバンド)みたいな音ですね。頑張ってるけど。

バンジョーは止まらない (4/15/07)

アメリカに住んでいて出会った音楽というのは、実はそんなに無いんです。バイオリンの音楽を良く聞く様になったと か、志ん朝を真剣に聴き込んだとか(落語 ですけどね、この人の落語は音楽的要素が強い-この話しは後日)、そういうのって「アメリカ」とは本来あんまり関係無いし(まぁ個人的にはいろいろいわく はあるけれど)。そんな中で、唯一掛け値無しにアメリカに住んで居なければ出会う事はなかったろうというのが、この人、ベラ・フレック (Bela Fleck) というバンジョー弾き。彼が率いるバンドが、フレクトーンズ(Flecktones) 。名前の通り、バンジョーのベラ・フレックがリードを取るバンド。差し詰めカントリーかブルーグラスのバンドみたいだけど(ネーミングのセンスからして ね)、やってる音楽をカテゴライズすれば、一応「フュージョン」ということになるんでしょうね。元々ブルーグラスのバンジョー弾きとして出発しているけれ ど、今のスタイルは全く洗練されていて、一聴した限りではバンジョーとは判らないかも知れない。でも、スリーフィンガー独特のアルペジオはバンジョー以外 の何者でもないんですけれど。

最初に聴いた(見た)のは、テレビ。チャンネルを 変えているうちに、音楽番組があったので目を留めた訳で す。マルサリス兄弟の兄貴の方(ブランフォード・ マルサリス、サックス吹き)と共演していたんだけど、サックスとの掛け合いでバンジョーを弾いているのをみて、ちょっとビックリ。エレキギターを弾いてい るのかと思ったら、音もちょっと違うし、胴の形も丸だし、「あっ、バンジョーだ!」とやっと気付いた。音も普通のバンジョーとは少し違うようだ。普通のバ ンジョーの乾いたアルペジオの音よりは大分ソフトな響き。テクニックとしては、相当な超絶技巧を駆使してるんだろうけど、サラッと弾いてのける。そもそも エレキギターみたいに泣いたり叫んだりせず、ひたすらアルペジオですからね、バンジョーは。聞いてるうちに、だんだん「オイオイ、何だコレは!」という感 じになって来る。

フレクトーンズの編成は、バンジョーの他がベース、サックス、ドラ ム。このドラムというのが、シンセサイザー・ドラムで形状はちょっと変わったエ レキベースかエレキギターで、胴やネックに相当するところに大小いろいろのパッドが取り付けてあって、それを指で小刻みに叩いて、それがシンセサイザーで ドラムの音に変換されてしまうという代物。ほら、よく音楽聴きながらコツコツと指でテーブルを叩いたりする人がいるでしょう?あれでドラムが叩けてしまう 訳。「ドラミタール」と名付けられているけれど、明らかにドラムとシタール(ジョージハリソンもはまったインドの弦楽器ですね)から文字った訳ですね。 ベースもその筋では相当に有名な名手の様です。基本編成はこの4人だけど、フュージョン・バンド、又はジャムバンドらしく、他にもいろいろな楽器と共演す る様で、何とバスーンとも共演してます。

こ う書いて来ると、何だかキワモノめいて来たけど、音楽はとてもまともという感じです。それでいて、他にはこんなの無いなぁとも言える。一見淡々としているしそんなに派手さを感じないけれど、実は凄い演奏をしているんだと思いますね。

ク ラシックの編曲物も出しています。中には、ショパン、スカルラッ ティ、パガニーニも入っていて曲目を見るだけで「超絶技巧バリバリ」という感じだけど、やはりとてもまともですね。共演もジョシュア・ベル(バイオリン) とか、ジョン・ウィリアムス(ギター)ですから、ちゃんとしたもんです。ところで、このアルバムのタイトルは
Perpetual Mortion と いうんですが、日本語に約すと「永久運動」という意味。ライナーノーツにも特別何も書いていませんが、間違いなくベラ・フレックの弾くバンジョーのこと を表しているんだと思います。彼のアルペジオは本当に永遠に続くんじゃないかと思えてきますから。そう、「バンジョーは止まらない」という感じ。

今回この人の紹介を書こうと思って、改めていろいろ調べているうちに、ベラ・フレック&フレクトーンズを紹介した記事があったので、
ちょっと訳してみました 。おもしろ半分で始めたけれど、途中で止めるのが悔しくて、結局3時間も掛かってしまった。(ふ~っ)アメリカの「業界」の事も少し判って為になりました。でも、年間120回ものコンサートをこなすというのは凄い。

お勧めは、どれを聴いてもいいけれど、やはり
デビュー・アルバムが いいかも。ベラ・フレックのリード振りがストレートに出ているアルバムだし、バ ンジョーの向うを張って活躍するハーモニカがカッコイイ。(このハーモニカ吹きは、サックス吹きが加わる前の創立メンバーのひとり。過酷 な旅回りに疑問を感じて抜けた様です。仕様がないですね。)

YouTubeでも、Flecktones で検索すればいろいろ出て来ますが、僕は取敢えず
コレが好きですね。Big Country という曲で、CDにも入っていますが、こっちのライブ録画の方がおもしろい。よりカントリーっぽい雰囲気が濃いし、管の連中が3本になっ ていて(サックス2本と何とファゴットが1本)よりグルーヴ感が増していて気持ちいい。

音楽は本物だし、グラミー賞でも常連だし、日本で殆ど無名であるのが信じられないくらい。海外ツアーでも、中国/韓国まで来てるんですけどね。でも、知っててムダじゃないと思いますよ、このバンド。いずれにしても、個人的にはとても気に入っています。

2007年4月13日金曜日

Yakitori-ya in San Jose (4/12/07)

い きなりですが、焼き鳥屋の話。というより、本当は当地(シリコンバレー)にやって来たワセオケ出身者の話。1年後輩のヴィオラ・トップだった〇芝君が、仕 事でこちらに赴任になりました。なぜ知っているかと言うと、同じ会社だから。といってもいろいろ業種のある会社で、職種も違うから(あちらは買う方で、こ ちらは専ら売る方)、卒業以来会社で会ったのは、彼が就職活動で会いに来たのを加えても、2回くらいしかないかな。現に、今回もこちらでは別の会社組織に 属してます。(就職活動で尋ねて来た時には「良く考えた方がいいよ」と言ったので、彼が同じ会社に入ったのは僕の責任でも功績でもありません。念の為)

そ の〇芝君が住む事になった家が、僕のアパートと同じ通り沿いで1キロと離れていない場所。(この距離は、アメリカでは本当にご近所。)出来たばかりのとて もきれいなコンドミニアム。昨日、ホテルを出て入居したというので、さっそくミニ歓迎会を、と言う訳で、最近評判という近くの焼き鳥屋に行きました。

この辺の住宅地には、ところどころ、スーパーや幾つかの小さい店が集まった一角(「ショッピング・スクウェア」とでもいったかな?)があるけれど、この焼き鳥屋「炭屋」もそういうところにあります。結論から言うと、確かに「まともな焼き鳥屋(Authentic* Yakitori Restaurant)」と言っていいでしょうね。メニューも まあまあでしょ?そりゃ、日本のおいしい焼き鳥とは比べられないでしょうけれど、一応備長炭で焼いている様だし、あの悪名高い「テリヤキソース」も使って ないようだしね。「テリヤキソース」というのは、アメリカ人の多くが日本料理の代表的ソースと疑っていないようだけれど、どうみても、そのとろみ甘さはみ たらし団子の蜜に近い代物。焼いた肉や魚に掛ければ「たちまちジャパニーズ!」という手軽さだけど、到底、ちゃんとした日本料理の調味料とは言い難い。そ れをこちらでも醤油メーカとして有名になっているキッコーマンがプロモートしているので始末が悪い。

この場所、前も日本食系のレストラン (というより居酒屋)があったのだけれど、その店は窓も無く、とてもきれいと言えない造りで、アメリカ人とおぼしき客が居なくなるとタバコさえ吸わせてい たという若干怪しげな店でした(カリフォルニアでは、レストランはおろかバーも一切禁煙)。 今度の焼き鳥屋さんは前面ガラス張りで小ぎれいになってまし た。ちょっと、奥まったところにあるけれど、シリコンバレーで焼き鳥が食べたいという人には(ここの読者には居ないか?)、取敢えずお勧め。夜11時半ま で営業というのも嬉しい。

そうそう、〇芝君の話。勿論まじめな彼の事だから、楽器もバリバリの現役。今は専らバイオリンを弾いているそうで、近々こちらのアマオケのオーディションがあるとのこと。偉いですね。

ところで、ワセオケ出身者二人で「焼き鳥」となれば、「そういえば『鳥安』に行きたいね」という話しに。皆さん、日本に帰ったら連れて行って下さい。(ところで、鳥安の2階で仕切っていたおじさんは「織田さん」ておっしゃるんですねぇ。初めて知った。)

* (注): この場合、authentic の反対語は Americanized です。authentic は辞書で引くと「本物の、正真正銘の」と出て来るけど、この場合それほど大げさなものではありません。アメリカでレストランの紹介に良く見掛ける言葉か も。いろいろな料理を余りにアメリカナイズしてしまったので、ちょっと反動かも。因みに authentic American という料理は余り見た事がないなぁ。 

2007年4月12日木曜日

ご報告 (4/11/07)

84 年卒団の3名の方のアドレスが新たに判りましたので、早速「投稿者登録招待状」をお送りしました。速やかに、登録して書き込みお願いします。未だ、まじっ くばすーん氏との「掛合い漫才」状態が続いておりますので... 同じ年次では、トップの野☆さんのアドレスが不明です。ご存知の方は教えて下さいね。

それから唐突なご報告で恐縮ですが、先 週会社から異動内示がありまして、6月1日付けで日本に戻る事になりました。勤務場所は東京大森になります。厳密には2年余の駐在期間でしたが、2003 年夏に一旦赴任し、途中1年弱日本に戻ってまた出て来たという変則的なものでしたので、実質的には4年弱という感覚ですね。

実際の帰国は、5月下旬になりますが、それでも今度のFg会には間に合いそうもありません。残念ですが...

帰国までには、またいろいろこの場でお話し出来るでしょう。今日は、取急ぎご報告まで。

2007年4月8日日曜日

これはチョッと驚いた?! (4/7/07)

全世界を対象としたブログ投稿量の調査 によると、日本語による投稿量は英語に次いで2番目、しかも僅差らしい。母語あるいは公用語で使用されている言語人口 からすれば、日本語は世界で10番め内外。それを考えると、如何に突出しているか判る。この調査を行った調査会社も、携帯電話における日本の特殊性にも言 及しているし、流行に乗り易い国民性もあるかも知れないし、日本のブロードバンド接続料金が多分世界一安いのも本当らしいけれど、それにしてもこの調査結 果にはちょっと驚いた。たしかに、日本には古くから「日記」という文学が確固として存在して、「身辺雑記」が得意だし、短歌、俳句、川柳もそれと非常に近 しい系譜なんだろうけれど。短冊/矢立てをPC/ケータイに代えて...そう考えると、納得行く気もする。曰く「日本のブログにはメッセージ性が少ない、 中身が無い」「流行が去れば、下火になる」というのも決してウソではないだろうけれど、でもこの先どうなるのか興味深い。 やっぱり圧倒的な量は、質に影響して行くだろうし、いろいろなバリエーションを生んでいくでしょうからね。

2007年4月4日水曜日

CD「イギリス民謡組曲」他 (4/3/07)

既 に、まじっくばすーん氏やharu様が投稿者に名を連ねるところで、クラシック系のCD紹介をするのは辛いところですが、まぁ何でも書いていいブログと いうところを身を以って示そうということで。(本当は、志ん朝の落語のCD辺りを語りたいところですが、それは追々) で、本日紹介するのは、往年のイギリスの名指揮者エイドリアン・ボールト卿がロンドン響/ロンドンフィル/ニューフィルハーモニア管を振ったヴォーン=ウィリアムス の管弦楽作品集。15年位前にアメリカで見つけて、「おっ、これは」と驚いて思わず買ってしまったんですね。何故って、あの「イギリス民謡組曲」の管弦楽 版が入っ てるじゃありませんか。今は良く知りませんが、少なくとも僕らが中学/高校の頃、この曲はホルストの「第1組曲」「第2組曲」と並んで吹奏楽オリジナルの 名曲として人気があったと思います。で、このCDを見つけた時には「えっ、『イギリス民謡組曲』って、管弦楽版がオリジナルなんだ、珍品、珍品」と早とち りしたんですね。随分後になって、改めてライナーノーツを見たら、ちゃんと「この組曲は1923年に軍楽隊(即ちブラスバンド)の為に書かれた。この録音 はゴードン・ジェイコブ による管弦楽版(と言う事は、管弦楽版が編曲された方ということ)」と書いてありました。(英語で細々と書いてあってキチンと読んでませんでした。でも思い込みって怖い。)

で、結論から言うと、一般的には「おもしろい1枚」ではないかも知れません。イギリス物なら、エルガーやブリテンの方がおもしろいかも。でもね、「イギリス民謡組曲」の管弦楽版の録音て、他にあるのかな?
ところでこの文章を書くに当って、ボールト卿の事を調べたら 、キャリアの最初の頃にバーミンガム市響の音楽監督をやってたり(つまりラトルの大先輩)、師匠筋はニキシュ、弟子筋がロジャー・ノリントンだったりする んですね。為になりました。(ノリントンは、昨年SFでシューベルトのシンフォニーを振るのを聞きましたけど、いわゆる「ピリオド奏法」を初めて聴いた事 もあって、響きが新鮮でおもしろかった。)

EMI CLASSICS CDM 7 64022 2
ヴォーン=ウィリアムズ管弦楽作品集:
【曲目】セレナーデ・トゥ・ミュージック、揚げ雲雀、グリーンスリーヴスによる幻想曲、イギリス民謡組曲、交響的印象《沢沼地方にて》、ノーフォーク狂詩曲第1番
【演奏】エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団